【実話小説】トルクメニスタンに違法滞在した話 〜第二話・発行拒否〜




トルクメニスタン。

それは、中央アジアに位置する、国土の多くは砂漠に覆われた内陸国である。
かつてはソビエト連邦に属しており、現在は「中央アジアの北朝鮮」とも呼ばれる独裁国家だ。

と聞くと、悪いイメージが頭に浮かぶんじゃないかな。
劣悪な経済状態と生活環境の中、人々は恐怖政治に怯えながら暮らす―――
しかし、実際は全く違っていた。そこに何があり、人々はどのように暮らしているのか。
これは、ボクがトルクメニスタンという未知なる国に滞在して実際に体験した7日間の記録である。


 
こんにちは、モロの飼い主です。
トルクメニスタンで体験した実話小説の続きです。
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さて―――
トルクメニスタンの旅小説のくせに、前回はビザを申請する話だけで終わってしまった。
今回こそトルクメニスタンのことを書きたいけど、実はビザの取得に際しても







2015年9月30日。
青の都・サマルカンドから夜行列車に乗って、ボクは相方と共に再びタシケントの街へ戻ってきた。
相方、といってもボクは一人旅であり、1週間前にタシケントでトルクメニスタンビザを申請した時も一人だった。
しかし、サマルカンド泊まった宿・バハディールで、以前タイとキルギスで会ったことのある旅人と、偶然再会した。
そして、トルクメニスタンという得体のしれない国に一人で行くのが不安だったボクは、一緒にトルクメニスタンへ行こうと誘ったのだった。
こうしてボクは、彼と一緒にタシケントへ戻ってきた。
先週泊まったSunrise Caraven Stayはまだチェックイン時間より前だったが、荷物を預けたいというと快諾してくれた。設備だけでなく、スタッフも最高の宿だ。
ボクはビザ受け取り、相方はビザ申請のためにトルクメニスタン大使館へ向かう。



名簿に名前を書き、順番を待って、職員さんの図らいで二人一緒に大使館へ入った。
相方は申請書類をもらい、それを埋める。そしてボクは職員に、ビザを受け取りたい旨を告げる。すると、

「まだビザはできていない。来週取りに来てくれ」

と、言われてしまった。

「待ってよ! 先週来た時に、今日(9月30日)来てくれと言っていたじゃないか!」
「だが、まだできていないんだ。来週来てくれ」

何を言おうとビザができていないとの一点張り。そこでボクは、攻め方を変えることにした。

「ウズベキスタンビザの期限がないんだ。じゃあせめて、国境でビザを受け取らせてくれ」

誰かのブログで、タシケントでビザを申請して、トルクメニスタンへ入国する際、国境で受け取った人がいるとの記事を見た。
先週来た時に国境受け取りは拒否されたが、必死の説得が通じたのか、

「仕方ないな・・・・・・。これがキミのビザの確認番号だ。そして、これが私の携帯電話の番号。トルクメニスタンへ入る前日にまた電話しなさい」

大使館職員はメモ用紙にビザの確認番号と電話番号書いて、ボクに手渡してくれた。
前回できないと言われたのは、どうやら面倒だからしたくないだけだったからのようだ。
向こうが指定した日にビザができていなかったことと言い、日本では考えられないことだが、ビザは手に入ることだしと受け入れた。

「彼も一緒の日にトルクメニスタンへ行きたいんだけど、国境受け取りさせてくれる?」

と、相方の分もお願いすると、

「わかった。同じ確認番号で受け付けておく」

大使館職員は無愛想だが、話せばわかる人だった。
これでボクも相方も、再びタシケントへ戻ってくるという制約がなくなるので、今後の旅の計画が立てやすくなる。
ボクらはウズベキスタンで過ごすこれからの旅程を話し合い、トルクメニスタンビザ開始の日まで、ウズベキスタンを満喫するのだった。







10月13日。
「いよいよ明日かー」
数日前からボクらはトルクメニスタンとの国境にほど近く、世界遺産にもなっている街・ヒヴァに入り、観光しながらトルクメニスタンへ入る日を待っていた。
そして前日になったので、ビザを申請した時に大使館職員に言われた通り、電話をかけなくてはいけない。
「うー、なんだか頭が重いな・・・・・・」
特に早起きしたわけでもないのに、頭がぼうっとする。もう少しベッドで寝ていたいが、この電話だけはすませないといけない。
手すりにつかまりながら階段を降りて、泊まっている宿・アリベックのおばさんに頼んで、電話をかけてもらう。しかし、

「うーん、繋がらないねぇ」

大使館が開く9時以降にかけたにもかかわらず、大使館職員は電話に出なかった。
トルクメニスタンへ入国する前日、しかもボクにとっては明日がウズベキスタンビザの期限最終日なので、明日出国できないと非常に困る。
すると、宿のおばさんは大使館職員の携帯電話の番号にショートメッセージを送ってくれた。
朝ごはんを食べて返信を待とうとしたが、食欲もあまりなく、アリベックご自慢の朝食も今日ばかりは喉を通らない。
昨日までにあらかたヒヴァの主要どころの観光も終えていたので、ボクはそのまま宿のベッドで寝ていた。1時間くらい経っただろうか、おばさんが

「大使館から返信が来たよ」

と教えてくれた。おばさんいわく、今は忙しいから、午後5時にまた電話してくれとのことだった。
すぐに色よい返事がもらえなかったことに一抹の不安を覚えながら、他に為す術もないので夕方まで待つこととなった。



それにしても頭が重い。熱もある気がする。
熱を出した時は汗をかくと下がる、という古典的な知識に倣い、あえて厚着をして毛布にくるまる。
ボクの様子を心配して、相方がボクに訊く。
「大丈夫? 体温計持ってるけど使う?」
「ありがとー、ちょっと貸してー」
日本にいる時は、具合いが悪いのなんて気のせいだ! 体温計の温度見たら病気になる気がする! と謎の理論で体温計を忌避していたボクだが、異国の地においてそのようなことを言っている場合じゃない。
正確な体温を測るため、一旦毛布から這い出して汗をタオルで拭うと、体温計を脇にさす。
思っていたよりも早く電子音がして、どれどれとボクは体温計を見やる。
そして、驚愕した。



39度5分。なかなかの高記録だ。
「どうだった?」
「あはは、39度5分だってー」
自分の体温を見たら余計に具合が悪くなるかと思っていたけど、思いのほか心は元気だった。
「え!? 大丈夫!?」
「明日出国しないといけないし、明日までには下げるよー」
日本にいる時は、薬に頼ったら駄目だ! 自分の力で治す! と謎の理論で薬を忌避していたボクだが、異国の地においてそのようなことを言っている場合じゃない。
ボクは自分の鞄から発熱時に効果がある薬を見つけると、水で飲み下してまた毛布にくるまった。



そして夕方。
午後5時になったので、ベッドから這い出ると、相方とともに再び宿のおばちゃんのところへ向かった。
電話をかけると今度はちゃんと繋がり、わからない言語(ウズベク語?)でおばちゃんが話す。
しばらく話していると、おばちゃんが怪訝な顔をした。嫌な予感がする。
おばちゃんは携帯電話から顔を話すと、ボクの名前を再確認して、こう言った。

「あなたは明日出国できるよ。(メモを見せて)この確認番号を見せれば、国境でビザの受け取りができる」

なんだ、嫌な予感は気のせいだったかとほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間、次の一言で固まった。

「けど、あなた(相方)のビザはできていないって」



「「なんだってー!?」」








第三話へ続く
 
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