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【東日本大震災③】南三陸町の悲劇から考える、遺された人がすべきこと。

もろたびを見てくださって、ありがとうございます。こっけ~です。

今年も3月11日がやって来たので、東日本大震災について書きたいと思います。

 

これから掲載する写真はところどころにモロが写っています。

不謹慎だと眉をひそめる人もいるかもしれませんが、まだ漢字を読むのが難しい子供たちにも写真を通して震災のことを知る切っかけになってほしいと思い、載せることにしています。

 

※ 昨年度までの記事はこちら。

 もろたびを見てくださって、ありがとうございます。こっけ~です。今回はずっと書いてみたかったテーマである、東日本大震災について書きたいと思います。    あの日から、もう11年が経った。  『東日本大震災』 このたった6文字の言葉は、一定以上の年齢の人であればまず知らない者はいない言葉だろう。そして、その言葉の次には灰色や茶色がかった風景がセットで思い浮かぶのではないだろうか。2ヶ月前の紅白に出場した今を煌めくアーティストは知らなくとも、11年前のこの惨事は多...
【東日本大震災①】野蒜のトモダチ作戦から考える、日本人としてのあり方。 - もろたび。

 

 

 もろたびを見てくださって、ありがとうございます。こっけ~です。今年も3月11日がやって来たので、東日本大震災について書きたいと思います。 これから掲載する写真はところどころにモロが写っています。不謹慎だと眉をひそめる人もいるかもしれませんが、まだ漢字を読むのが難しい子供たちにも写真を通して震災のことを知る切っかけになってほしいと思い、載せることにしています。 ※ 昨年の記事、宮城県東松島市についてはこちら。   世界三大漁場に近い、石巻市宮城県石巻(いしのまき)市。宮...
【東日本大震災②】石巻の巨大堤防から考える、安全と経済の両立性。 - もろたび。

 

 

 

 

宮城県・南三陸町

宮城県、南三陸町。

三陸海岸に位置し、湾や入江がギザギザに入り組んだリアス海岸の地形になっている。

その地形が外海からの波を和らげ、水深は深くなるため、港町に適している地形だ。

しかし、一度に押し寄せる津波には弱く、切り込みのような地形故に波が高くなってしまう。

そのため、南三陸町は災害に対する備えも行っていた。

防波堤や防潮堤、水門などである。

さらに1995年、志津川町(合併前の南三陸町)は海岸から約600m、海抜1.7mの地点に3階建ての庁舎を建てた。

鉄骨造りで高さ12m、いざというときには屋上へ避難できる防災庁舎である。

 

 

 

! ここから津波の写真や描写を含みます。ご注意ください !

 

 

 

2011年 3月 11日

 

そしてあの日、南三陸町に津波がやってきた。

 

「罪悪感は今も…」町を飲み込む大津波にシャッター切った、南三陸町の写真館が歩んだ10年間 #あれから私は #あれから10年
「罪悪感は今も…」町を飲み込む大津波にシャッター切った、南三陸町の写真館が歩んだ... - LIFE INSIDER

 

上のリンクは、南三陸町で写真館を営む、佐藤信一を取材した記事である。

著作権の関係もあるので私人の写真を引用できないので、ぜひ見て欲しい。

津波が水門を破った瞬間。

屋上に避難している人たちが写っている、防災庁舎。

そして、その屋上をも上回る津波に飲み込まれた防災庁舎。

 

当時の役場職員が、屋上から撮影した写真がある。

 

 

 

こちらは南三陸町の公式サイトにて公開されているので、引用したいと思う。

 

 


(「南三陸町役場防災対策庁舎屋上から撮影した津波の状況写真」から引用)

津波が川を遡り、水煙のようなものが上がっている。

 

 

 


(「南三陸町役場防災対策庁舎屋上から撮影した津波の状況写真」から引用)

大量の瓦礫が建物のすぐ近くまで押し寄せている。しかし、津波の勢いは止まらない。

 

 

 


(「南三陸町役場防災対策庁舎屋上から撮影した津波の状況写真」から引用)

水位はどんどん上昇し、建物の姿が全く見えなくなる。

そして。

 

 

 


(「南三陸町役場防災対策庁舎屋上から撮影した津波の状況写真」から引用)

海抜1.7m、高さ12mの屋上まで津波はやって来た。

記録によればさらにここから2m上まで上昇、屋上にいた約30人の内、助かったのはたった10人だった。

撮影者も水に飲まれ気絶したが、手すりを掴んでいた副町長が反対の手で離さずにいてくれたため、奇跡的に一命を取り留めたのだという。

 

 

 

震災以降・旧防災対策庁舎

こちらが、防災対策庁舎の場所である。

周辺一体は震災復興祈念公園として整備されている。

 

防災対策庁舎は鉄骨だけ残ったものの、それ以外は全て流されている。

 

鉄でできているはずの非常階段は大きくひしゃげており、津波の威力の凄まじさを感じざるえない。

この防災対策庁舎で、一人の逃げなかった職員の話が残っている。

 

 

 

命尽きるまで呼びかけた防災無線

当初、6mという津波予想もあり、職員は庁舎から避難せず、2階の危機管理課に町災害対策本部を置いた。

同じ階の放送室からは、職員の遠藤未希さんが町民に対して防災無線で呼びかけを行った。

津波がやって来るその直前まで、62回にも渡って呼びかけを続けたという。

 

彼女は逃げ遅れたわけでも、津波が来るのを知らなかったわけでもない。

防災無線の内、最後の4回は津波の高さが10mと放送している。

しかも、周りからの「上へ上がって」という静止の声があったにも関わらずだ。

彼女は文字通り、命を懸けて町の人へ呼びかけたのである。

 

 

 

彼女の殉職をどう受け止めるべきか

彼女の行動は紛れもなく気高い、尊い行為である。

初めてこの話を聞いたときも、そして今あらためて記事を書いている今も、涙が出てくる。

この彼女の行為を、私達はどう受け止めればいいのだろうか。

 

 東日本大震災の津波で宮城県南三陸町の防災対策庁舎にいた町職員らが犠牲になったのは、避難指示が不適切だったのが原因として、一部遺族が業務上過失致死容疑で佐藤仁…
【東日本大震災】「職員をとどまらせて犠牲に」遺族が南三陸町長を近く告訴 防災... - 産経ニュース

 

 

南三陸町の町長は、犠牲となった職員がいるのは避難指示が不適切ではなかったからではないかと、一部遺族(前述の遠藤さんではありません!)から業務上過失致死容疑で告訴された。

不起訴処分になったものの、未曾有の大災害においても公務員や政治家に対する住民の要求は高い。

 

 東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童23人の遺族が、市と県に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は10日付で、市と県の上告を退ける決定をした。震災前の学…
大川小津波訴訟、最高裁が上告棄却 市と県の賠償確定:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 

市のハザードマップで津波の浸水想定区域外だった石巻市立大川小学校では被害児童の遺族が告訴、こちらは県と市に損害賠償が確定した。

マニュアル通り校庭に避難したことが、人災として認定された。

 

東日本大震災で宮城県東松島市立野蒜小学校の体育館に避難後、津波にのまれ死亡した女児ら住民3人の遺族が、子供の引き渡しや避難誘導で学校側に過失があったとして市に計約5300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は24日、女児の遺族に約2650万円を賠償するよう市に命じた。津波訴訟で自治体に賠償を命じたのは初めてとみられる。残る2人の遺族の請求は棄却した。賠償が認められたのは、小学3年の女児
津波で犠牲、学校に過失 仙台地裁が2600万円賠償命令 - 日本経済新聞 - 日本経済新聞

東松島市立野蒜小学校では、児童を同級生の父親に引き渡して送り届けられた後、自宅で津波に巻き込まれて死亡したが告訴、賠償命令が下った。

事前に登録した保護者ではない人に引き渡した、マニュアル以外のことを行ったことが、人災として認定された。

なお、その野蒜小学校の体育館も津波にのまれて死者が出て、告訴されている。学校現場に対する住民の要求は高い。

 

遠藤未希さんが行ったことは、称賛されるべき大変素晴らしいことだ。

だが、それを公務員として”あるべき姿”と見なしてしまうのは、大変危険だ。

遠藤さんは震災の前年に結婚して、半年後に披露宴を控えていたという。

公務員も、政治家も、教員も、一人の人間であることには変わりない。

それぞれに生活があり、家族があり、人生がある。

人災は決してあってはならないが、結果だけを見て人を責めるのではなく、この辛い経験から何を学ぶか。

どうしたら被害を防ぐことができるか。危険性を少しでも減らすことができるか。

それこそが、遺された人にとって大事なことだと思う。

 

 



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おまけ

震災復興祈念公園のすぐ近くには、南三陸さんさん商店街があります。

南三陸さんさん商店街は飲食店やお土産屋28軒が軒を連ねる、南三陸の大型観光施設。建築家
【南三陸さんさん商店街】南三陸町の復興商店街!2017年3月3日リニューアルオープン - 南三陸さんさん商店街

津波の被害があった場所に盛り土をし、川沿いも護岸工事をしっかりしてあります。

過去から学び、未来に活かす。

 

そのために、ボクはこれからも記事を書きます!

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