【日常短編小説】ある日の4人 ~5月~

【日常短編小説】ある日の4人 ~5月~

 

こんにちはなの!モロくんなの!

 

こっけ~:「モロのかいぬし、こっけ~ですー。今日は小説の日!」

 

今回は、かいぬしさんが学生時代に書いた短編小説をお届けするなの!

 

※ 短編シリーズの目次はこちら

 

 




 

 

 

ある日の4人 ~5月~

 

 

 

 

葵  :「スター夏味堂のケーキ、美味しかったねー!」
あやめ:「にゃは、食べた食べた~」
涼子 :「店長の菜摘さんもいい人だったな」
美沙 :「内装もとてもおしゃれだったわね」
「よーし、こうなったら明日も行っちゃお~!」
「・・・あやめ、ちょっとはテスト勉強する気を見せなさい」
「にゃははは~、だって勉強嫌いなんだもん~」
「しかしもうすぐ高校初めての定期試験だぞ」
「ダイジョブダイジョブ♪ 前日にガンバればきっとなんとかなるよー」
「葵、高校のテストは中学とは比べ物にならないほど難しいのよ」
「そーなの? はわわ、どうしよう・・・・・・」
「あ、じゃあみんなで勉強会して教えあいっこしようよ~」
「あらあやめ、あなたいつも『宿題わからない~』って頼ってくるのに、私に何を教えてくれるのかしら?」
「でもほら、人に教えると自分もちゃんと理解できるって言うし~」
「あなた口だけは達者ねぇ・・・・・・」
「お褒めに預かり光栄です~」
「褒めてない!」
「あはは、でもボクも勉強教えてほしい!」
「私も勉強会には賛成だ。あやめや葵に赤点を取られてはたまらないからな」
「”赤点“って何?」
「・・・・・・葵、本当に知らないのか?」
「うん。聞いたことはあるけど何かなーって」
赤点と言うのはテストで30点以下を取ることだ。その場合は追試、つまりもう一度試験を受けないといけなくなる」
「えー、テストをもう一回受けるのー、いやだなー」
「そんなこと言ってる場合じゃないわよ」
「うむ、追試に落ちた場合、夏休みに補習で学校に来ないといけないのだ」
「そーなの!?」
「葵ちんピ~ンチ!」
「あなたもでしょう」
「にゃはは、でも葵ちん、あたしたちには強い味方がついてるよ!」
「あやめ、それはいったいどこの誰のことかしら?」
「わかってるくせに~」
「・・・・・・ある程度は教えてあげるけど、自分でもちゃんと勉強しなさいよ」
「美沙ちゃん、ありがとー!」
「さすが美沙ちん! モテモテなわけだにゃ~」
「やっぱりやめようかしら」
「じょ、冗談だよ~」

 

 

 

「テスト3日前だっていうのにこんなんでいいのかしら・・・?」
「む、どうしたのだ、美沙」
「確かにテスト勉強会をするとは言ったけど、なにもケーキ屋に来てすることないじゃない?」
「でも美沙ちゃん、菜摘さんのケーキ美味しいよ!」
「えぇ、確かに美味しいけど・・・・・・今週入ってスタ―夏味堂へ来るの2回目よ?」
「美味しいものは毎日食べてもOK! それに美沙ちん、前にここ来た時涼子ちんが『脳には糖分がいい』みたいなこと言ってたじゃん~」
「うむ、言った気がするな」
「あなた、そういうとこだけは記憶力がいいのね」
「それほどでも~」
「・・・・・・。もう言い返す気も起こらないわ」
「はにゃ、美沙ちんが『ツッコミ不全症候群』にかかっちゃた~」
「人を勝手に変な病気にしないで!」
「お、美沙ちんのツッコミ華麗に復活!」
「な・・・! も、もう私帰るわ!」
「にゃ~~~!? ごめん美沙ちん! もう冗談言わないから! ホント、この通り!」
「・・・・・・わかったわ。でもあやめ、これが最後のチャンスよ。次に変なこと言ったら本当に帰るからね」
「わかった~? 葵ちん」
「はへ? ボク?」
「帰るわ」
にゃ~! 違う、違うよ美沙ちん! つい体がボケに反応しちゃうの!」
「さっき最終通告はしたわ。それでもあなたはそれに背いた。だから私は帰りま」
「あ、美沙ちゃん。ここの計算なんだけど、どーしてこーなるのー?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・それはね、教科書の前のページ・・・そう、ここの公式なんだけど、それが・・・・・」
「ふむふむ、なるほどー」
「ねぇ、涼子ちん。美沙ちんってなんだかんだでやっぱり優しいね~」
「うむ。せっかく美沙が自分の勉強時間を割いて教えてくれるのだから、あやめもあまり美沙をからかうな」
「そだね、ちゃんとやるよ~」
「うむ、私も微力ながら協力するぞ」
「ありがと~! それにしても葵ちんのマイペースさは恐るべし・・・・・・」

 

 

 

「疲れたー・・・・・・。ボクもうこれ以上勉強できない・・・・・・」
「全然わかんないよ~! あたしギブアップ!
「葵、あやめ、始めてからまだ15分しかたっていないぞ」
「15分!? あたし自己新記録!
「あなた普段どれだけ勉強してないのよ!」
「美沙ちゃんー、ここの答え教えてー」
「答えだけ教えたら何も身につかないでしょう、葵。解き方はさっき教えたはずよ」
「涼子ちん、この範囲覚えることが多すぎるよ~・・・・・・」
「常日頃から復習をしていないからそういうことになるのだ。暗記は何度も繰り返せばできるようになる」
「うぅ、ボク・・・・・・」
「あたし・・・・・・」
「「もうダメだー・・・・・・」」
「机に突っ伏しちゃってどうしたんだい? お二人さん?」
「む、あなたは確かスター夏味堂の店主の――」
「パティシエの星野 菜摘さん!」
「やあ、久しぶり・・・でもないか。3日前に会ったばっかりだもんね」
「菜摘さんのケーキすっごく美味しかったんでまた来ちゃいました~!」
「はは、ありがとうあやめちゃん」
「わぁ、あたしの名前覚えててくれたんですか!」
「もちろん、君たちは本当に美味しそうに食べてくれたからね」
「さすが菜摘さん、パティシエの鏡!
「あやめ、称えるのはいいけれど勉強に集中しなさい」
「ん? 美沙ちゃんたち勉強してるの?」
「もうすぐボクたちテストなんですー。でも点数低いと黒点に――」
「葵、黒点ではなく赤点だ。さっきやった理科と一緒になってるぞ」
「はわわ、そーだった。えっと点数低いと赤点になっちゃうんで勉強してるんですー」
「定期テストか、懐かしいなあ」
「菜摘さんはどちらの高校を卒業されたんですか?」
「私? 美沙ちゃんたちと同じ、青陽学園高校だよ」
「にゃ? じゃあ菜摘さんってあたしたちの先輩だったの~?」
「まあ、そういうことになるかな」
「ふむ。それ故、菜摘さんは青陽学園高校の近くでお店を開かれたのですか?」
「そんな感じかな。涼子ちゃんたち後輩に喜んでもらいたくてね」
「さすが菜摘さん! 卒業しても後輩思い!
「はは、あやめちゃんは褒め上手だね」
「それほどでも~」
「だけど肝心の勉強の方がはかどっていないようだけど大丈夫かい?」
にゃ!? えっと、いや、その・・・・・・」
「そうよあやめ。菜摘さんの言う通り勉強に集中しなさい」
「うぅ、鬼コーチ・・・・・・」
「はは、4人とも仲いいね。よし、そんな勉強を頑張る君たちに私から紅茶のお代わりをプレゼントしよう!」
「む、菜摘さん、よろしいのですか?」
「君たちにはこれからも来てもらいたいから今のうちに恩を売っておこうと思って。なんてね」
「わーい、お代わりだー!」
「菜摘さんサイコー!」
「今後ともスター夏味堂をぜひごひいきに、ね!」

 

 

 

「・・・・・・む、もうこんな時間か」
「時間? 今は、6時20分かー」
「私はそろそろ帰らねばならない。門限があるのだ」
「涼子ちんの門限っていつ~?」
「7時だ」
「早っ!!」
「そうなのか? あやめの家はいつなんだ?」
「あたしん家は特に門限ないよ~」
「それであやめはこんなひねくれた少女になってしまったのね」
「美沙ちんひど~い! ぐすん」
「嘘泣きしないの」
「にゃは、バレたか」
「葵の家の門限は何時だ?」
「ボクの家は6時だよー」
「早っ!! ・・・ってかもう過ぎてるじゃん!
「あはは、どうせお父さん夜遅くまで帰ってこないしー」
「でもお母さんは・・・・・・あ、そういえば」
「うん。お母さんは入院してて家にいないんだー」
「ふむ。それでは名残惜しいがそろそろ私はおいとまする」
「あら、だったら今日はこの辺で切り上げましょうか」
「そーだねー、ボク限界だよー・・・・・・」
「あたしももう食べられないよ~・・・・・・」
「あやめはケーキ3個食べるからよ!」
「だって美味しいんだもん~」
「あはは、あやめちゃん太るよー」
「にゃ!? それはまずい~」
「あやめ、葵、それより早く片付けなさい。涼子が門限に間に合わなくなるわ」
「別に私に合わせなくてもよいのだぞ? まだ残って勉強していても・・・・・・」
「何言ってるの涼子ちん! 水臭いな~。あたしたち友達でしょ!
「あやめ・・・・・・」
「それにもう勉強したくないしねー」
「そうそう、これ以上勉強してらんないからちょうどいい・・・って葵ちん! せっかくあたしがいい台詞言ったのに~!」
「はへ?」
「ふふふ。・・・ありがとうな、あやめ」

「葵ちん、準備はいい?」
「うん、ダイジョブだよー!」
「よ~し、ではいざ尋常に勝負!」
「望むところだー!」
「「いっせーのーせ!」」
「・・・・・・にゃ!?」
「・・・・・・あ! ボクの勝ちー!」
「まさか葵ちんに負けるだなんて・・・・・」
「わっはっは! どうだ、参ったかー!」
「あやめ、葵、何しているの?」
「あ、美沙ちゃん! ボクあやめちゃんに勝ったよ!」
「葵ちんに負けちゃったよ~・・・・・・」
「あぁ、テストの合計点数を競っていたのね。何点だったの?」
「はい、これボクの成績表ー」
「あたしのはこれ~。まさか葵ちんに負けてしまうとは・・・・・・」
「どれど・・・れ!?
「あれ? 美沙ちゃん固まっちゃって、どーしたの?」
「っていうかあたしたちばっかり見せるの不公平だ~! ていっ!」
「あ!」
「ふっふっふ、美沙ちんの成績表ゲット~! 葵ちん、見ちゃお!」
「うん!」
「あ、ちょっと二人とも待ちなさい!」
「「せーのっせ!」」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・葵ちん」
「・・・・・・うん」
「世の中には、見ない方がいい物ってあるんだね」
「・・・・・・うん」
「一教科も勝てないどころか、二人足しても勝てないね」
「・・・・・・うん」
「あやめ、ほら返しなさ」
美沙ちんのバカ~! こんなもの見せつけて!」
「あなたが勝手に見たんでしょう」
「美人でスタイルいい上に運動神経も成績もいいなんてずるい!」
「私はちゃんと努力してるんです」
「この才色兼備! 文武両道!
「・・・・・・貶められてるのか褒められてるのかわからないわ」
「どうしたのだあやめ、そんなに熱くなって」
「あ、涼子ちん~! 見てよこれ! 美沙ちんったらこんなにいい点数取っちゃってさ!」
「ふむ、毎日野球部のマネージャー業がある中、これだけの点数を取るとはさすが美沙だな」
「ありがとう。涼子はどうだった?」
「私か? これが私の成績表だ」
「・・・あら」
「どーしたの美沙ちゃん?」
「この際だ! 涼子ちんの成績表もオープン!」
「あやめ! やめといた方が」
「にゃにゃ!?」
「・・・・・・遅かったわね」
「うわー、涼子ちゃんの点数、美沙ちゃんのより上だー」
「葵ちん、意外にあっさりしてるね・・・」
「だって今回、赤線なかったからー!」
「・・・・・・葵、もしかして”赤点”のことか?」
「そうそれ! これでもう一回試験受けなくていいんだよねー」
「でも葵、期末試験の結果によっては追試の可能性もあるわよ」
「え、そーなの!? はわわ、どうしよう・・・・・・」
「どうしようも何も、するべきことは一つではないか」
「そだよ、葵ちん! またスター夏味堂で二人に教えてもらえばいいんだよ!」
「あ、そっかー」
「いい加減自分の力でやりなさい!」

 

 

 

 

おまけ

 

登場人物紹介 : 日向 葵(ひゅうが あおい)

 


(昔、かいぬしさんの小説を読んだトモダチが書いてくれたなの!)

 

こっけ~’s メモ

「ある日の4人」のメインキャラクターの1人、日向 葵です。一人称は”ボク”。
現在連載中の別の小説、「キミと夏の終わり」のヒロインでもあります。
高校入学当時は引っ込み思案だったのですが、徐々に変わっていきます。
他の3人の親友、そして8月に付き合うことになる彼氏、中田 翼の影響も大きいのかもしれません。
「ある日の4人」では天然キャラでボケ連発! 毒舌が炸裂!

 



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