【小説・キミと夏の終わり】幕間おまけ:夏祭りの果てに

【小説・キミと夏の終わり】幕間おまけ:夏祭りの果てに

 

こんにちはなの!モロくんなの!

こっけ~:「モロのかいぬし、こっけ~ですー。今回は土曜日で小説の日!」

最後には、登場人物のデザイン画も載っているなの!

 

※ 目次はこちら。

 

 




 

 

 

キミと夏の終わり

 

 

 

 

おまけ:夏祭りの果てに

 

 

 

 

等間隔に電灯が並ぶ、暗闇の中の住宅街。
耳をすませば、どこかの家からテレビの音や、遠くで犬が吠えているのが聞こえる。
「あの角を曲がって二つ目がボクん家だよー」
左隣を歩く葵が俺に説明する。自分の腕時計を見るとまもなく11時になろうとしていた。
「こんな遅い時間まで付き合わせちゃってゴメンな」
俺が詫びの言葉を告げると
「全然気にしないで! 今日はとっても楽しかったしー」
すぐさま葵は答えた。十字路を左に曲がる。
「あ、お父さんが立ってるー」
「え!?」
ここから二件先の門の前に一人の男性が立っている。どうやら葵のお父さんらしい。
「お父さんただいまー!」
葵が空いている方の手、左手を大きく振る。葵のお父さんがこっちに気付いた。
予想だにしなかった展開に焦る心を整理する暇もなく、俺たちは葵の家の前に着く。
「葵、何時だと思ってるんだ」
厳しそうな葵のお父さんの声。しかし葵はいつもの明るい口調のまま返答する。
「遅くなっちゃってごめんなさーい」
「心配してたんだぞ。・・・・・・で、お前は誰だ」
ギロリ、と本当に音がしそうな勢いで葵のお父さんが俺を見た。
いきなり俺に話の矛先が向いて、心臓が飛び上がる。
「えっと、俺は、じゃなかったわたくしは、中田翼と、申しますっ!!」
緊張のあまり声が上擦ってしまった。背中を冷たい汗が流れる。
「中田君、か。それでうちの葵とはどういう関係だね?」
葵のお父さんはそう言って葵の”空いていない方の手”を見た。
すなわち俺と手をつないでいる右手。
「そ、それは、その・・・・・・」
ここはしっかりと「彼氏です」と言っておきたいところだが、葵のお父さんの威圧感の前に口ごもってしまう。
じっと俺を見る葵のお父さん。怖くて目を合わせられない。その時
「お父さん、翼はボクの彼氏なんだよー。ボクたち付き合ってるんだー」
・・・・・・おそらく葵の辞書の中に”気まずい”という文字はないのだろう。
俺は恐る恐る葵のお父さんのほうを見た。
「そうか、彼氏か。私はてっきり・・・・・・ってなんだって!?」
まるで漫才のごとくきれいなノリツッコミを決める葵のお父さん。そして
「彼氏だとぉーーーー!!!!」
等間隔に電灯が並ぶ、暗闇の中の住宅街。
そこへ一人の男性の叫び声が轟いた。

 

 

 

「ちょっとお父さん、近所迷惑でしょ!?」
葵の家の中から一人の女の子が出てきた。中学生ぐらいだろうか。
「ねぇ、何事なの? ・・・・・・ん、その人誰ー?」
その子は俺を見て言った。葵が代わりに答える。
「瑞希、紹介するねー。この人は中田 翼、ボクの彼氏だよー。それで翼、こっちがボクの妹の瑞希」
そうか、この子が葵の話していた妹さんか。よく見てみると確かに葵に似ている。
瑞希ちゃんはそれを聞いて
「な~んだ彼氏かー。私はてっきり・・・・・・って彼氏!?」
このノリツッコミは血筋なんだろうか。葵のお父さんは
「彼氏・・・・・・。葵に彼氏・・・・・・」
と口をぱくぱくさせながら、ふらついた足取りで家へ入っていった。
「お姉ちゃんに彼氏かー、しかもこんなイケメンを捕まえてくるなんて・・・・・・。お姉ちゃんもやるわねぇ!」
そう言って葵を肘で小突く瑞希ちゃん。葵が照れているのを見て俺も恥ずかしくなる。
「瑞希ちゃん~、一体何があったの?」
その時家の中からまた別の女の子の声が聞こえてきた。なんか聞き覚えのある声だ。
「あ、ゴメンゴメンほったらかしにしてて! お姉ちゃんが彼氏連れてきたからさー」
瑞希ちゃんが答えた。俺は新しくやってきた女の子の方を見た。そして絶句する。
「な・・・・・・」
「え・・・・・・」
向こうも俺を見てびっくりしていた。俺たちの様子を見ていた葵と瑞希ちゃんがそれぞれに尋ねる。
「翼、この女の子知ってるの?」
「美咲ちゃん、どうしたの?」
先に美咲が口を開いた。
「知ってるも何も・・・・・・」
俺がその言葉を継ぐ。
「美咲は・・・・・・中田 美咲は、俺の妹だ」
一瞬の沈黙。そして
「「えぇ~~~!?」」
等間隔に電灯が並ぶ、暗闇の中の住宅街。
そこへ二人の姉妹の声がこだました。

 

 

続く

 

 

 

おまけのおまけ

 

登場人物紹介 : 中田 翼(なかた つばさ)


(昔、かいぬしさんの小説を読んだトモダチが書いてくれたなの!)

 

こっけ~’s メモ

キミと夏の終わり」の主人公の一人、中田 翼です。
サッカーが得意なイケメン。おうちは貧乏。
女性相手には手練手管なトークだったけど、天然な葵相手には通用せず。
翻弄されまくっているうちに、一途な男に変わりました。

 

 



ポチっと押してくれたら嬉しいです。


 

 

【連載小説】キミと夏の終わりカテゴリの最新記事