【かいぬし手記】ペルーで数十年に一度の災害に巻き込まれた話

【かいぬし手記】ペルーで数十年に一度の災害に巻き込まれた話

 

 

アリン プンチャイケチュア語なの! モロくんなの!

こっけ~:「モロのかいぬし、こっけ~ですー。今回は世界二周目のペルーで遭った災害の話です。ペルーでは本当にいろいろなめにあったなぁ・・・」

 

 

 

 

これについては、かいぬしさんのせいな気がするなの・・・。

 

 

 

※ 旅のまとめ記事はこちら。

 

 

それは何の前触れもなく

世界二周目でのペルーの旅。
入国時になんやかんやあったものの、たくさんの遺跡や絶景があり、ご飯も美味しく、人も良いこの国の旅をボクは満喫していた。
一周目の時は一時帰国を急ぐ関係で、首都のリマから隣国エクアドルのキトまで国際バスに乗ったので、二周目はリマからペルー北部の街を刻んで北上しようとしていた。

 

そして、まずは世界遺産を有する国内第三の都市・トルヒーヨに到着した。

 

この街もペルーにある他の街同様、人々はフレンドリーで、物価も良心的だ。
ボクは中心部の宿を何軒か周って宿泊場所を決めると、

 

世界遺産となっている遺跡、太陽のワカを見に行くなど、いつも通りに観光をする。
しかし、この時ペルー北部は既に、問題が起きていたのだ。

 

 

旅にはカメラを。

 

 

数十年に一度の災害に巻き込まれる

世界遺産の一つ・チャンチャン遺跡は、チムー王国という国の首都だった場所で、世界最大の日干しレンガの都市だったらしい。
500年以上前の日干しレンガの建築物が残っているということは、それだけこの地の気候が安定しているということのはずなのだが、

 

なんと、遺跡の中には水たまりがあった。
ところどころブルーシートをかけて突貫工事で遺跡を保護しているところもある。
後になって思えば、これはこの後起こることの前触れだったのだろう。

 

トルヒーヨの次に、ボクは200kmほど北にあるチクラヨという街を目指した。
晴天の中、バスは快調に進んでいく。
しかし、日が暮れてチクラヨの町に近付くと、大変な事態が起きていたのだった!

 

なんと、チクラヨは、水没していた
ペルー北部で数十年に一度の豪雨が発生したらしい。
この時のチクラヨは雨こそ降っていないものの、

 

街中に水が張っていたのだ。
これはまずいとボクは急いでトルヒーヨに戻ろうとしたものの、全てのバスは運休とのことだった。

 


(alamy stock photoより引用)

日本でも台風や地震のときにそうなるように、テレビ番組はペルー北部の災害情報一色となっていた。

 


(Research gateより引用)

北部では、家ごと沈んでしまったりして、救助を待っている人達も多いらしい。

 

このバスターミナルは基礎部分が少しだけ道路より上にあるおかげで水が入って来ない。
この日は足止めを食らっている他の人達と一緒に、ここで一晩を過ごした。

 

 

翌日、バックパックをバスターミナルのベンチに鍵で括り付け、町へ出ることにした。
街のあちこちには仮の足場や土嚢が積まれていた。

 

市場はさながら水上マーケットのようだった。
衛生状態に不安はあるが、いくつかのお店は営業していたので朝食を摂る。

 

教会では祈りが捧げられていた。
ボクはキリスト教徒ではないが、この時ばかりは神にでも祈りたくなる。

 

しかし、ボクが意気消沈せずにいられたのは、こんな状態でも街の人達が明るいところだった。
交差点で停車している車が、旅人のボクに気付きにこやかにポーズをとった。

 

だからボクも、こんな中でも自分にできる観光を続けた。
これはチクラヨ名物のキンコンという、クリームが挟まれたクッキーのようなお菓子。
なかなか美味しかった。

 

しばらく街を回ってバスターミナルに戻ったが、やはりバスは動かないらしい。
その時、欧米人のバックパッカーに話しかけられた。
4WDの自動車を割り勘でチャーターして、トルヒーヨまで行かないかということだった。
この街に居続けるのは衛生的に不安があったし、出せない金額ではなかったのでボクはその誘いを受けることにした。

 


(トルヒーヨまで乗せてくれたドライバーさん)

時に通行止めの道を迂回し、時にぬかるんだ泥道を慎重に進みながら、車はトルヒーヨに着いた。
トルヒーヨの街は水没していないので、心配しなくても良さそうだ。
だが、トルヒーヨでもリマへ戻るバスを含め、全てのバスが運休しているとのことだった。
そしてボクは、このトルヒーヨでも災害に巻き込まれることになる。

 

 

 

 

雨が降っていないトルヒーヨも危機に!

トルヒーヨから出ることができないので、ボクはまた別の遺跡に出かけた。
中心部から数km離れた住宅地の中に突然あるエスメラルダ遺跡に観光客は全くおらず、代わりに野犬たちが遺跡の中を自由に歩き回っていた。

 

生き物が大好きなボクは、人懐っこい野犬たちを連れながら遺跡を見て回る。
(普通に考えれば狂犬病の危険があるから、あまり触れ合わないほうが良いのだけどね)

 

また、この遺跡のすぐ近くには近代的なショッピングモールがあり、その中にはスターバックスまで入っていた。
現地のものしか食べない縛りでチェーン店に入らないボクだけど、ペルーのスタバにはペルー限定のルクマフラペチーノというビバレッジがある。
前日に大変な思いをしていたこともあったので、ボクは小さな贅沢をしていた。
しばらくして、店員さんが今日はもう閉店だとボクに告げた。
閉店時間よりも早いのでボクが理由を聞くと、スペイン語が分からないボクに、彼は自分のスマホで動画を見せてくれた。

 

それは、今日の朝までいたトルヒーヨの中心部が水没している映像だった。

 

 

 

ショッピングモール前のバス乗り場へ行くと、雨が降っていないはずなのに、少し水が溜まっていた。
そして、その場にいた人がトルヒーヨ中心部へ向かうバスは動いていないことを教えてくれた。
数kmの距離なので、宿まで歩いて帰ることにする。

 

雲は多いが、今日は一度も雨は降っていない。
だが、さっき見せてくれた映像は、ボクの宿がある眼の前の広場に違いなかった。
車が全く走っていない陸橋を歩いて越えると、

 

ついに、水が現れた。
雨が降っていないのに、トルヒーヨまでも水没し始めたらしい。

 

ある人は少しでも高い足場を見つけながら、またある人は諦めて水をかき分けながら歩いている。
ボクは地図アプリを頼りに、宿を目指す。

 

ある交差点では、水の流れが激しくロープが渡されていた。
屈強な男の人達に支えてもらいながら、ボクは川と化した道路を渡る。

 

中心部に着いた頃には辺りは暗くなっていて、ところどころ水が溜まっていた。
宿は少しだけ段差の上にあったため、部屋の中は水没していなかった。
(ただ、水道が使えないのでシャワーもトイレも断水していたのは少し困ったけど)

 

 

 

 

水没したペルーからの脱出

宿の荷物が無事で安心したボクは、情報収集のために街へ出た。
トルヒーヨは周辺の道がやられているらしく、バスは全路線が運休。
しかも復旧には何日か、何週間か、どれほどかかるか分からないとのことだった。

 

広場を見てみると、テントが貼られていて、数百人はいようかという行列ができていた。
英語を話せる人を見つけて訪ねてみると、政府がリマまで飛ぶ航空機を出してくれるらしく、それに乗るための行列らしい。
そして、その人は既に2日以上先の便に乗るために並んでいるそうだ。
一人旅をしているボクは、トイレや食事もあるから並び続けることができない。
しかし、飛行機であればこの街を脱出できることが分かったのは朗報だ。ボクは旅行代理店へ向かった。
代理店のお姉さんは、4日先のリマ行きの飛行機がまだ空いていると教えてくれた。
それは日本円で約4万円弱。バスだったら数千円と考えると、とても高い値段だ。
彼女は仮予約をしてくれて、1日ならキープできるから返事はまた明日で良いと言ってくれた。

そして、考える。
かなり痛い出費だが、道路が下手したら数週間復旧しないことを考えると、その間にだって滞在費はかかる。
何よりとにかく一つでも多くの国、街が観たい超高速弾丸旅系の旅人であるボクは、同じ街で足止めを食らうのは嫌だ。
水没していても、沈没はしたくない。

翌日、旅行代理店へ行くと、同じお姉さんがボクを見つけて笑顔で言った。

 

お姉さん:「明日のフライトが取れたわよ! 値段も約2万円!」

 

なんと、4日先(1日経ったけどそれでも3日先)のフライトの仮予約だったのに、彼女はそれよりも早い日程の、しかも半値近いフライトを押さえてくれていた!
同じペルー人に売ってもいいだろうに、4万円の値段のまま売ったっていいだろうに、彼女はより良い条件のフライトを見つけてくれたのだ!

 

 

 

翌日、トルヒーヨからそう遠くないところにある空港へ向かう。

 

空港の中はすし詰め状態だった。
早いもの勝ちの当日枠でもあるのだろうか?
だが、ボクは代理店のお姉さんが見つけてくれた航空券がある。

 

問題なく搭乗して、ボクはリマへ飛ぶことができた。
さらば、トルヒーヨ!

 

 

お気に入りの服で旅に出よう!

 

 

その後のもろたび。

 

リマ空港では、被災地に送る物資を集めていた。
数十年に一度の災害だというのだから、国をあげて助けるのだろう。
さて、リマに戻ってきたものの、ボクはこれからどうすればいいのだろうか。

 

世界一周目の時、iPhoneを盗まれた腹いせに、ボクは勢いで南極ツアーを申し込んだ。
そして今回、様々溜まったフラストレーションを発揮するには、やはり豪遊するしかない。
どのみちリマから陸路で北上するのは不可能なので、ボクは空路を検索する。
そして、見つけた。

 

 

 

リマに着いた翌日。

 

 

 

ボクは再び、飛行機に乗る。

 

 

 

そのついでに、免税店で売られていたGoProをノリで購入する。

 

 

 

向かった先は、

 

 

 

 

 

 

 

 

生物の楽園、ガラパゴス諸島!!

 

 



また「もろたび。」に来てほしいなの♪
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おまけ:もろたべ

洪水で出られなかったトルヒーヨの、おいしいお店を紹介するなの!

 

★ フゲリーア・サン・アグスティンのハンバーガー

こちらは、トルヒーヨの人気ジュース屋さんのハンバーガーなの!

こっけ~:「挟む具材はチョイスできるよ。もちろんジュース屋だから、ドリンクも美味しい!」

 

★ エル チレーノのジェラート

こっけ~:「地元の老舗、エル・チレーノのジェラートで、MANJAR BRANCO味を食べました」

日本でいうところの、ブラマンジェなの!

 

 

★ 中央市場のフルーツジュース

市場では、毎日のようにミックスジュースを飲んでいたなの!

こっけ~:「安いし、栄養価もあるし、なにより美味しい!!」

 

たとえ街がピンチでも、市場の人たちはみんな明るくて元気なの!

こっけ~:「旅人のボクにも親切にしてくれて、本当に救われたなー」

だから、ペルーでは大変なことがあったけど、今でも大好きな国なの!

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